すすきのを訪れた際、客引きについて行った先で「聞いていた料金と違う」「説明のなかった料金を請求された」といったトラブルに直面した場合、何をすればよいのでしょうか。
客引きへの対策というと「ついて行かない」「料金を事前に確認する」といった未然防止が中心になりがちです。しかし、実際にトラブルに遭遇してしまった後は、まず身の安全を確保し、その後の相談につなげられる情報を残すことが重要です。
札幌市では「札幌市客引き行為等の防止に関する条例」が2022年7月1日に全面施行されています。禁止区域では客引き行為等を行うことに加え、事業者が客引きを受けた人を店舗内へ立ち入らせることも禁止されています。(札幌市)
この記事では、すすきので客引きや料金トラブルに遭ってしまった場合を想定し、**「その場を離れる」「情報を残す」「適切な窓口へ相談する」**までの基本的な流れを整理します。
すすきので客引き・料金トラブルに遭ったら、まず安全確保を
客引きについて行った店舗で料金を巡るトラブルになったとき、最初に考えたいのは「その場で相手を言い負かすこと」ではありません。
まず、自分自身や同行者の安全を確保することが優先です。
例えば、会計時に事前説明とは異なる金額を提示された場合でも、その場で長時間にわたって激しい言い争いを続けることは避けたほうがよいでしょう。
可能であれば料金の内訳や説明を確認し、店外へ出られる状況であれば、人通りのある場所など安全を確保しやすい場所へ移動します。
一方で、店から出ることを妨げられている、脅されている、身体的な危険を感じるなど、警察官の対応がすぐに必要な状況では、緊急通報を検討することになります。
北海道警察も、警察官の臨場が必要な事件・事故については緊急通報を利用し、緊急性のない困りごとについては警察相談窓口を利用するよう案内しています。(北海道警察)
- 緊急性が高い場合:110…携帯電話の基地局(中継局)を管轄する都道府県警察本部の通信指令室
- 緊急性のない警察相談:#9110…警察相談ダイヤル
- 最寄りの警察署:011-242-0110…中央警察署
重要なのは、「高い料金を請求されたから、すべて同じ窓口へ相談すればよい」と考えないことです。
身の危険があるケースと、すでに店を出た後に契約・料金について相談したいケースでは、適切な相談先が異なります。
トラブルに発展しやすいのはどんなケース?
客引きに関するすべての店舗でトラブルが起こるわけではありません。また、個別の店舗や業態について、根拠なく危険だと判断することもできません。
そのうえで、料金を巡る認識の違いが生じやすい状況として、いくつか注意したいパターンがあります。
料金の説明があいまいなまま入店している
「安く飲めます」「今ならお得です」などの説明だけで具体的な総額や料金体系を確認していない場合、会計時に認識の食い違いが生じる可能性があります。
例えば、飲食代以外にどのような料金が含まれるのか、時間によって料金が変わるのかなどを把握していない状態です。
すでに入店してしまった後でも、料金に疑問を感じた場合は「何に対する料金なのか」「それぞれいくらなのか」を確認することが、その後の状況整理につながります。
路上で聞いた説明と、店内での説明が違う
客引きをした人から聞いた内容と、実際の店舗で説明された内容が一致しないケースにも注意が必要です。
「客引きからは〇〇円と聞いたが、店内では別の料金を案内された」といった場合は、いつ、どこで、誰から、どのような説明を受けたのかを可能な範囲で記録しておきます。
札幌市の条例では、指定された禁止区域における客引き行為等そのものが禁止されています。さらに、事業者についても、禁止区域で客引きを受けた人を店舗へ立ち入らせることが禁止されています。(札幌市)
したがって、路上で客引きを受けたこと自体も、相談時に伝えておきたい情報の一つです。
会計時になって初めて高額な料金を提示された
注文時や入店時には説明されていなかったと感じる料金が、会計時に加算されているケースです。
この場合、その場で「高すぎる」とだけ伝えるより、
- 入店前に聞いた料金
- 店内で提示された料金表
- 実際に注文したもの
- 利用した時間
- 最終的な請求額
- 説明がなかったと感じる項目
などを整理したほうが、後で第三者へ相談しやすくなります。
ただし、料金の法的な支払い義務があるかどうかは個別の状況によって異なります。
記事だけを根拠として「支払わなくてよい」「必ず返金される」と判断することはできません。契約や支払いについて争いがある場合には、消費生活相談などの専門窓口へ状況を説明することが重要です。
遭遇した直後は「退店→確認→記録→相談」の順に整理する
実際にトラブルが起きると、何から手を付ければいいのか分からなくなることがあります。
そのため、事後対応は次の順番で整理すると状況を伝えやすくなります。
1.まず安全な場所へ移動する
安全に退店できるのであれば、まず店舗の外へ出ます。
人通りのある道路や営業中の施設など、周囲に人がいる場所へ移動すると、落ち着いて状況を整理しやすくなります。
同行者がいる場合は別々に行動せず、お互いの状況を確認しておきましょう。
反対に、退店を妨げられる、身体を拘束される、暴力や脅迫を受けているなど、身の危険が迫っている場合は、安全確保を優先し、110番への通報を検討します。
北海道警察は、事件・事故などで警察官の臨場が必要な場合には緊急通報を利用するよう案内しています。(北海道警察)
2.料金明細やレシートを確認・保管する
店から受け取ったものは、すぐに捨てないようにします。
例えば、
- レシート
- 領収書
- 料金明細
- クレジットカードの利用控え
- 電子決済の履歴
などです。
請求内容について相談するとき、「高い料金だった」という記憶だけでは具体的な状況を確認しにくくなります。
何に、いくら請求されたのかが分かる資料があれば、相談先へ説明するときの手掛かりになります。
3.店舗や客引きについて覚えている情報を残す
店を出て少し時間が経つだけでも、店名や場所、相手の特徴などの記憶はあいまいになっていきます。
安全な場所へ移動した後、覚えている範囲で情報をメモしておくとよいでしょう。
例えば、次のような情報です。
- 店舗名
- 店舗が入っていた建物
- 階数
- 入店したおおよその時刻
- 店を出た時刻
- 客引きに声を掛けられた場所
- 客引きから受けた説明
- 店内で受けた説明
- 注文した内容
- 請求された金額
- 支払い方法
- 店員や客引きの特徴
- 同行者の有無
店の正式名称が分からなくても、「どの交差点からどちらへ歩いたか」「何階までエレベーターで上がったか」といった情報が手掛かりになる場合があります。
ただし、記録のために相手を追いかけたり、危険を感じる状況で撮影を続けたりする必要はありません。
あくまで安全を確保したうえで、手元に残っている情報を整理します。
4.スマートフォンに残っている履歴も確認する
スマートフォンにも、当時の状況を確認できる情報が残っている可能性があります。
例えば、
- キャッシュレス決済の利用履歴
- クレジットカード決済通知
- 店舗を検索した履歴
- 地図アプリの履歴
- 同行者とのメッセージ
- 店舗や料金表を撮影した写真
などです。
相談時に必要になる可能性があるため、関連する記録はすぐに削除せず保管しておくと状況を整理しやすくなります。
5.状況に応じた窓口へ相談する
安全が確保でき、手元の情報を整理したら、内容に合った相談窓口へ連絡します。
ここで重要なのは、「警察へ相談すべき問題」と「契約・料金について消費生活相談を利用する問題」は必ずしも同じではないという点です。
どこへ相談すればよいか分からない場合も含め、まず現在の状況を整理して伝えられる状態にしておきましょう。
警察・消費生活相談・地域の窓口はどう使い分ける?
客引きやぼったくりと思われるトラブルに遭遇した際、状況によって相談先が変わります。
身の危険がある、店から出られない
暴力を受けている、脅されている、退店を妨げられているなど、警察官にすぐ来てもらう必要がある状況では、110番を利用します。
北海道警察は、緊急の事件・事故と、緊急ではない相談を明確に分けて案内しています。(北海道警察)
店を出た後、警察に相談したい
緊急性はなくなったものの、
「客引きを受けて入店した」
「脅すような言動があった」
「警察へ状況を相談したい」
といった場合には、以下への相談が考えられます。
北海道警察の相談窓口名:#9110
中央警察署の相談窓口:011-242-0110
北海道警察では、生活の安全と平穏に関する相談について、警察相談専用窓口を設けています。(北海道警察)
料金や契約について相談したい
店からは出られたものの、
「説明されていないと思う料金を請求された」
「支払った料金について相談したい」
「契約上どのように対応すればいいのか分からない」
といった消費者トラブルについては、
電話番号: 011-728-2121(消費生活相談)
受付時間: 月曜日~金曜日 9:00~19:00(祝日・年末年始を除く)、消費者ホットライン: 「188(いやや!)」番(土日祝は国民生活センター等につながります)
への相談も選択肢になります。
消費者庁は、契約や悪質商法などのトラブルについて、身近な消費生活センターなどにつながる相談窓口を案内しています。(消費者庁)
どのような対応が可能かは個別の事案によって異なるため、「高額請求だったから必ず返金される」などと判断せず、実際の請求内容や経緯を伝えて相談することが大切です。
地域情報や観光上の相談先を確認したい
すすきのでの観光や地域に関する案内については、
電話番号:011-518-2005、Email:sukikan@ec3.technowave.ne.jp
など、地域側の窓口を確認する方法もあります。
ただし、観光案内の窓口と、犯罪被害や消費者トラブルを受け付ける公的相談窓口は役割が異なります。
被害そのものについて警察や消費生活相談を利用すべき状況では、それぞれの専門窓口へ相談してください。
すすきのニュースチャンネルでは、北海道警察・すすきの観光協会との連携を踏まえ、安全に関する地域情報も発信しています。
一方で、メディアとの連携体制と、個別の事件や料金トラブルを受理・解決する公的な相談体制は別のものです。
実際にトラブルが発生した場合は、本記事の情報だけで判断せず、北海道警察や消費生活相談など、内容に適した公的窓口を利用してください。
「払ってしまったから終わり」と考えず、分かる範囲で状況を残す
客引きや料金トラブルに遭った後、「その場でお金を払ってしまったから、もう何もできない」と考えてしまう人もいるかもしれません。
しかし、相談するかどうかまで自分だけで判断する必要はありません。
一方で、相談したからといって、必ず支払いが取り消されたり返金されたりするとも限りません。どのような対応になるかは、料金の説明、利用内容、支払い方法、その場でのやり取りなど、個別の状況によって異なります。
だからこそ、
安全な場所へ移動する
→請求内容を確認する
→証拠や記録を残す
→状況に合った窓口へ相談する
という順番が重要になります。
また、「どこで声を掛けられたのか」「何と言われて店へ向かったのか」といった、入店前の状況も忘れずに整理しておきましょう。
札幌市では、市民や観光客が公共の場所を安全・安心に通行、利用できる環境を確保することなどを目的として、客引き行為等を防止する条例を設けています。(札幌市)
すすきのを初めて訪れた人にとって、慣れない土地でのトラブルは特に判断が難しいものです。
もし実際に問題が起きてしまったときは、その場ですべてを解決しようとせず、まず安全を確保してください。
そのうえで、料金明細や決済履歴、店舗の場所、客引きから受けた説明などを可能な範囲で残し、必要に応じて北海道警察の相談窓口#9110、消費生活相談窓口 011-728-2121 などへ相談することが、次の対応につながります。
※本記事は一般的な対応の流れを整理したものです。個別の事件・契約・支払いについて法的判断を行うものではありません。
札幌市では客引き行為等を防止する条例が施行されており、すすきのを含む繁華街の安全な環境づくりが進められています。一方、実際に料金や接客を巡るトラブルが起きた場合には、条例の存在を知るだけでは解決できません。身の危険がある場合、警察へ相談したい場合、契約や料金について相談したい場合で窓口を使い分け、発生時の記録を残しておくことが重要です。





