
「ねぇ、ちょっと一杯どう?」
そんな言葉から始まった恋が、あの頃のすすきのにはたくさん転がっていた。
携帯もLINEもない昭和の夜。恋愛は“目と声”だけで成立していた。すすきのの交差点、スナック街の路地裏、ジャズが流れる喫茶店…。そのどこもが「出会いの舞台」だった。
🍶 恋はナンパと目線からはじまる
昭和50年代のすすきのでは、バーやスナックの前に立つ女性に「飲みに行きませんか?」と声をかけるのが一般的なナンパスタイル。返事はYesかNo、そこには駆け引きも即決力もあった。今のように「既読スルー」も「マッチングアプリ」もない。だからこそ、目が合った一瞬に真剣勝負が詰まっていた。
💌 ラブレターは“告白の必殺技”
「付き合ってください」――この一言が書かれたラブレターを、便箋に万年筆で書く。香水をひと吹きかけて、手渡す。手紙は今よりもずっと重く、言葉一つひとつに想いが込められていた。あるバーのママは言う。「昔の人は、ひと文字に恋してたわねぇ」と。
📞 固定電話=恋の戦場
会いたくても会えない夜。そんな時は自宅の黒電話にかけるしかなかった。家族が出るかもしれない緊張感、電話線の先で聞こえる相手の息づかい、それがたまらなく“甘く切ない時間”だった。すすきのの公衆電話には、行列ができることも珍しくなかったという。
🕺 ディスコは告白のラストステージ
深夜のすすきのに鳴り響くダンスビート。ミラーボールの下で、男は女を抱き寄せ、最後の勇気を振り絞って囁く。「ずっと好きだった」
踊りながら交わす目線、手の温もり、そして翌日から始まる恋の物語。昭和のすすきのは、恋に落ちるための街だった。
スマホ1台で繋がる時代に、わざわざ声をかけて、手紙を書いて、電話の前で待っていた人たちがいました。昭和の恋愛は、不便だったからこそ“本気”だった。そんな物語を、すすきのの夜風とともに、もう一度感じてみませんか?