札幌・狸小路5丁目の映画館「サツゲキ」は、公式サイトで2026年3月29日(日)をもって閉館すると告知した。理由は賃貸借契約の満了。アクセスページでは所在地を札幌市中央区南2条西5丁目6-1、狸小路5丁目内としており、今回のニュースは札幌中心部の映画拠点が一つ区切りを迎える話として受け止める必要がある。
施設案内ページで確認できる館内構成は、シアター1が200席、シアター2が28席、シアター3が48席、シアター4が170席。計4スクリーン、446席の劇場だ。この劇場は2020年に「サツゲキ」として復活したもので、近隣で閉館した旧「ディノスシネマ札幌劇場」の流れを受ける存在として再スタートしていた。大規模シネコンとは違い、作品ごとにサイズ感を変えて編成できるのが、この館の特徴だったといえる。
この話題が大きいのは、閉館するのが単なる一映画館ではないからだ。HREによると、この場所は1925年に洋画封切館「三友館」として開業し、その後「日活館」「東宝プラザ」へと名称を変えながら映画館として使われてきた。2011年には映画興行を終えたが、その後は貸しホール劇場として使われ、2020年に再び映画館としてよみがえった経緯がある。場所そのものが、札幌の街なかの映画史を引き受けてきた。
さらにHREは、「サツゲキ」が旧「札幌劇場」の流れをくむ歴史的名称の節目でもあると伝えている。「札幌劇場」という名は、スガイディノスのルーツにあたる1917年創業の芝居小屋「札幌座」を由来とするという。つまり今回の閉館は、テナントの営業終了だけでなく、長く受け継がれてきた呼び名や文脈にも区切りが入る出来事だ。
サツゲキは「秘密基地のような空間」をコンセプトに、コンクリートを生かした内装や4スクリーン構成を取り入れていたと紹介されている。商業広告が少ない作品を重点的に扱い、韓国映画など海外作品にも強みを持ち、1日10本程度を上映してきたという。上映作品の選び方そのものが、この館の個性であり、ほかの劇場と違う役割を作っていたことが分かる。
閉館理由について、公式告知は賃貸借契約の満了としている。運営に関わる佐々木興業が建物所有会社との新たな賃貸借契約を締結しない判断をしたと報じた。一方で、同社が運営する「ディノスシネマズ苫小牧」「ディノスシネマズ室蘭」は営業継続とされており、今回の節目は札幌・狸小路5丁目のこの場所に集中している。
読者目線で重要なのは、サツゲキ閉館が「どこで映画を見るか」という街の選択肢の話でもあることだ。共同通信系の記事は、周辺では訪日客向けの店舗が増え、街並みも変わってきたと伝える。今後の活用方法は未定とも報じられており、この場所で約100年続いてきた映画の灯が別の形で残るのか、それともここで途切れるのかは、現時点では見通せない。
その一方で、公式サイトでは閉館前の特集上映や関連企画も動いている。グッズ案内でもロゴTシャツの受け取り期限が2026年3月29日15時までとされている。閉館日はすでに決まっているだけに、最後にこの劇場の空気を体験したい人は、上映作品や販売情報を公式発表で確認しておく価値がある。
位置情報:https://share.google/yDnabumsEhxpEDUn2
注目すべきは、閉館理由があいまいな風評ではなく、公式に「賃貸借契約の満了」と示されている点です。そのうえで今回は、一館の営業終了にとどまらず、狸小路5丁目で続いてきた映画興行の系譜がどうなるのかまで含めて見られているニュースだといえます。





