【現地取材】すすきの駅前再開発、地元の声と未来予測をまとめてみた

札幌の繁華街「すすきの」が、今再び大きく変わろうとしています。
2025年現在、すすきの駅周辺では再開発プロジェクトが複数同時進行中。老舗の建物が姿を消し、新たな高層ビルや複合施設が計画されるなど、かつての風景に変化が訪れています。

今回は、現地の様子・地元事業者の声・そして再開発がもたらす未来像を取材ベースでまとめました。

■ 再開発の中心は「すすきの駅前交差点エリア」

もっとも注目されているのが、地下鉄南北線すすきの駅を出てすぐの「すすきの駅前交差点」一帯。
ここにはかつて地元で長年親しまれてきた雑居ビルや飲食テナントが並んでいましたが、2024年以降、次々と解体・再整備が進行中。

代表的な再開発プロジェクトとしては、以下が挙げられます:
• 旧ロビンソン跡地エリア:2026年を目処に複合施設として再生予定
• 新ホテル棟(仮称すすきのGATEタワー):観光・ビジネス両面のニーズに対応
• 駅直結型の商業施設:飲食・物販・エンタメが融合した新スタイルを検討中

■ 地元の声:「寂しさと期待、両方ある」

実際にこのエリアで長年営業を続けてきた飲食店主のAさん(40代)はこう語ります:

「小さなビルが壊されていく姿には正直寂しさがあります。けど、古くなった設備で限界もあったし、新しい形で“すすきのらしさ”が残るなら応援したいですね」

一方、観光ガイド業を行うBさん(30代)はこう話します:

「すすきののイメージは“ディープで猥雑”なところに魅力があると感じていたので、再開発で“きれいになりすぎる”のが少し心配。観光客だけじゃなく、地元の人が日常的に使える空間になってほしいです」

■ 今後どうなる?すすきの再開発の3つの焦点

再開発の進展により、今後すすきのの姿はどのように変わっていくのでしょうか。
今注目されているのは、以下の3つのポイントです。

① 昼と夜の“顔の違い”がどう変わるか

従来は「夜の街」としての印象が強かったすすきの。
再開発により、日中から楽しめる商業・カフェ・ワーキング施設などが増えることで、「夜だけではないすすきの」が形成されつつあります。

② 地元密着 vs 外資・大手ブランドの共存

新しい商業施設には、大手チェーンや外資系ホテルが進出する可能性も高いですが、
その一方で、地域の個性や地元事業者がどう共存していくかも重要なテーマです。

③ インバウンド再強化と“生活者目線”のバランス

外国人観光客の再流入が予想される中、観光対応型の開発が進む一方で、
地元市民や働く人にとっての“利便性”や“心地よさ”も問われています。

すすきのの再開発は、単なる「ビルの建て替え」ではありません。
街の個性をどう引き継ぎ、次の時代にどう活かしていくか――それ自体が問われるプロジェクトです。

外から訪れる人も、日々を過ごす人も。
すすきのという街がこれからどんな「顔」になるのか、私たち自身もそのプロセスに関わっていく時期に来ているのかもしれません。

今後も、再開発の進展に合わせて、地元目線のレポートを継続してお届けしていきます。