ススキノ飲食店横断 “キャッシュレス詐欺” 被害増加 店舗と利用者に警鐘

札幌市中央区ススキノ— 2025年5月末までに、同地区を含む札幌市内ではクレジットカードを使った不正利用被害が急増している。日本クレジット協会によれば、2022年の全国被害額は436億円に達し、前年から32%増加し過去最悪を記録している 。

地元飲食店からは「スキミングや無断チャージといった被害が後を絶たない」との報告があり、被害は主にススキノ地区を中心とした繁華街で発生している。特に、番号盗用タイプの不正利用が94%を占めており、多くはフィッシング詐欺による偽サイト経由とされている 


 

◆ 被害実例:スキミング、無断チャージ被害

 

ススキノの複数店舗オーナーによれば、「カードリーダー端末が悪意ある第三者に改ざんされ、来店客のカード情報が取得されて不正利用された」「会計時にカードを手渡した隙に、スイッチ型リーダーで読み取りされていた」という事例が確認されている。これらの被害は発覚までに時間がかかり、被害総額も数万円から十万円単位に上っている。


 

◆ 市・警察の対応と店舗の取り組み

 

札幌市や北海道警察はSNSや公式サイトで注意喚起を強化。偽サイトやフィッシングメールに警戒するよう呼びかけ、「公式サイト以外からリンクを開かない」ことなどを指導している 。

また、地元飲食店は次のような対策を進めている:

  • カードリーダー端末の定期点検と設置場所の監視強化

  • ICチップ読取・暗証番号照合を必須に設定

  • 利用者への「不正チャージ防止方法」案内掲示やWEBでの注意喚起

 


 

◆ 利用者向け対処法

 

クレジット協会や警察が推奨する対処法は次の通りです:

  1. 利用明細をこまめに確認し、不審な請求は即時カード会社へ連絡

  2. SMSやメールのリンクには絶対にアクセスせず、公式サイトを直接訪問

  3. カード裏面署名、ICチップ利用、有効期限・CVVの管理を徹底化

  4. 店舗では端末の不正改ざん・置き換えに警戒し、定期検査を実施

取材で見えてきたのは、店舗と利用客の信頼関係の裏側に潜む“見えない盲点”です。カード端末は日々使うものだけに“いつの間にか改ざんされている”ケースもあり得ます。行政・警察の施策に加え、店舗と利用者の自衛努力がもっと共有されることを望みます。