1月5日、東京・豊洲市場で行われた新年恒例の初競りにおいて、青森県大間産の本マグロ1本が5億1030万円で競り落とされ、これまでの最高値を更新した。競りにかけられたマグロは重さ約243キロで、長年にわたり高品質な本マグロの産地として知られる大間産であることから、注目を集めていた。
初競りは、水産物の年間取引の始まりを告げる行事として位置付けられており、祝儀的な意味合いを含んだ価格が付くことで知られている。特に大間産本マグロは、脂のりや身質の評価が高く、過去にも高値での落札が相次いできた。今回の落札額は、前年までの最高額を大きく上回る水準となった。
このマグロを競り落としたのは、「お寿司といえば『すしざんまい』」で有名な株式会社喜代村で、同社は落札当日中に全国の一部店舗で提供を開始すると発表した。北海道内にもマグロの一部が航空便で輸送され、新千歳空港を経由して札幌市内の店舗へと運び込まれた。
すすきのの店舗には、赤身、中トロ、大トロとして提供可能な部位が入荷し、店頭では通常の販売価格で提供された。1貫あたり430円台という価格設定は、競り値とは大きく異なるもので、来店客が高級食材を手に取りやすい形となっていた。店側によると、提供できる数量には限りがあり、準備された分がなくなり次第終了とされた。
報道によれば、提供開始後から来店客の注文が相次ぎ、大トロは早い時間帯に完売した。中トロや赤身についても在庫は徐々に減少し、提供期間は短期間にとどまる見通しとされた。店内では、初競りで最高値が付いたマグロであることを示す掲示も行われ、話題性の高さがうかがえた。
豊洲市場の初競りで落札されたマグロが地方都市の店舗で提供されることは、消費者にとって市場の動きを身近に感じる機会となる。一方で、初競りの価格はあくまで象徴的なものであり、通常の市場取引価格とは異なる。今回も、落札額の高さそのものより、どのように流通し、店頭で提供されたかが注目された。
今回の入荷と提供は、新年の節目における水産業界の動向を伝えるとともに、初競りという文化的行事の一端を札幌の消費者に伝える事例となった。
—— 文・写真:すすきのニュース編集部 【佐々木ナオ】
「5億円」の数字ばかりが先に歩きがちですが、現場で効いてくるのは“いつ、どこに、どれだけ届くか”という物流の精度だと感じました。すすきののように人の流れが大きいエリアでは、話題性がそのまま来店行動に直結します。価格の据え置きは派手ですが、裏側の段取りこそニュースの芯です。





