札幌・すすきの首切り事件父親の一審判決と控訴審判決(2023事件)


事件の概要

2023年7月、北海道札幌市中央区すすきののホテルで当時62歳の男性が殺害され、頭部が切断された状態で発見された事件が起きました。被害者の頭部は現場から持ち去られ、捜査が進められました。

この事件では、親子3人が起訴されていました。長女である田村瑠奈被告(31)は殺人や死体遺棄・死体損壊などの罪で、父親で精神科医の田村修被告(62)と母親の浩子被告(63)は、瑠奈被告の犯行を手助けしたとしてそれぞれ起訴されました。

一審判決(札幌地裁)

2025年3月に開かれた札幌地方裁判所の裁判員裁判で、父親の田村修被告について一審判決が言い渡された。裁判所は、修被告が死体遺棄ほう助および死体損壊ほう助の罪に問われていることを認定し、懲役1年4か月、執行猶予4年の有罪判決を言い渡した。

この裁判で検察側は、修被告に対して懲役10年を求刑していたが、裁判所は、娘である瑠奈被告の犯行について、修被告が事前に完全に把握していたとは認められないと判断した。そのうえで、関与の程度は限定的であるとして、執行猶予付きの判決とした。

控訴審判決(札幌高裁・2026年1月27日)

2026年1月27日、札幌高等裁判所で修被告の控訴審判決が言い渡されました。主なポイントは次の通りです:

  • 札幌高裁は一審判決を破棄
  • 死体遺棄ほう助については「成立しない」としました
    • 「被害者の頭部を自宅に運び込んだ時点で死体遺棄行為は終了している」と判断されたためです。
  • 一方で死体損壊ほう助については成立を認め
  • 結果として、修被告に対する判決は →懲役1年、執行猶予3年の有罪判決 と一審判決より刑が軽くなりました。

判決では札幌高裁が「修被告は主体的に犯行に関与したわけではなく、娘の意向に従って従属的に関与した」と指摘し、執行猶予付き判決としました。

他の関係者の裁判状況

母親の浩子被告についても裁判は進んでおり、一審では懲役1年2か月、執行猶予3年の有罪判決が言い渡されている。現在、この判決を不服として控訴していることが報じられている。一方、長女の田村瑠奈被告については、事件当時の責任能力などを判断するため精神鑑定が行われており、現時点では判決の時期は示されていない。

まとめ

この事件は、2023年7月、札幌市中央区すすきののホテルで男性が殺害され、頭部が切断された状態で発見されたことから捜査が始まった。親子3人が起訴され、父親の修被告は一審で懲役1年4か月、執行猶予4年の判決を受けた。その後、2026年1月27日に札幌高等裁判所は一審判決を破棄し、懲役1年、執行猶予3年とする判決を言い渡している。母親と長女については、控訴審や裁判手続きが引き続き進められている。


事件から判決までの過程を振り返ると、事実関係の整理だけでは割り切れない重さが残ります。親子という関係性の中で、どこまでが関与で、どこからが責任なのか。法廷で示された判断は、刑事責任の線引きを明確にする一方、家族という枠組みが抱える脆さも浮き彫りにしました。数字や条文だけでは測れない部分が、この事件には確かに存在していたと感じます。

—— 文・写真:すすきのニュース編集部 【佐々木ナオ】