ソフトバンクは25日、ネット契約専用の「LINEMO(ラインモ)」について、月間データ容量20GBのプラン(税込み2970円)の料金を据え置いた上で、11月から最大30GBまで利用できるようにすると発表した。格安ブランドの「ワイモバイル」でも、追加オプションのデータ容量を増やす。
これに先立ち、ドコモは10月から、ネット契約専用の割安プラン「ahamo(アハモ)」のうち、データ容量20GBのプラン(2970円)の料金はそのままで容量を30GBに増やした。ドコモの前田義晃社長は、9月の投資家向け説明会で「顧客の声を調査したところ、データ容量不足への不満があった」と狙いを説明した。
一方、KDDIは格安ブランドの「UQモバイル」で11月12日から、月間データ容量20GBのプラン(3278円)を33GBに増量する。渡辺和也・マーケティング副本部長は「30GB前後の料金帯がせめぎ合いになっている。この領域で我々も、ドコモや楽天を意識した料金プランを提供する」と強調する。
スマートフォン利用者のデータ利用量は、動画配信サービスやスマホゲームの普及で増え続けている。調査会社MM総研によると、今年7月のデータ利用量の平均は11・47GBで、2021年7月の8・72GBと比べて3割増加した。携帯各社は料金の値下げを競うよりも、データ容量を増やして「お得感」をアピールする戦略とみられる。
競争激化の背景には、20年に携帯事業に本格参入した楽天モバイルが、データ容量無制限のプラン(3278円)を売りに契約数を伸ばしていることもある。MM総研の篠崎忠征(ただゆき)研究部長は「携帯契約者の9割は利用量が30GB以下だが、データを多く使う若者層を獲得する楽天に、各社が対抗して様々な手を打っている」と指摘する。