
2025年7月7日、札幌市北区に住む無職の19歳少年が、スマートフォンのSNSを通じて接触した10代前半の少女に対し、わいせつな写真を撮影して送信するよう要求したとして、映像送信要求と不同意わいせつの容疑で逮捕された。警察によると、この事件は別件の捜査中に明らかになり、逮捕された少年は容疑を認め、「すべて私がやったことに間違いありません」と供述している。
近年、スマートフォンの普及に伴い、未成年が巻き込まれる類似の事件が急増している。こうした事件を未然に防ぐため、教育現場ではデジタルリテラシー教育の重要性が高まっている。特に小中学校の段階からSNS利用に伴うリスクや個人情報保護、画像・動画共有の危険性について体系的に教える必要がある。また、生徒が安心して相談できる窓口や匿名の通報システムの整備も急務であり、教職員への負担軽減とあわせて迅速な対応を可能にする環境整備が求められている。加えて、教員自身の倫理観や危機意識を高めるため、採用時の研修や定期的な教育も不可欠となっている。
一方、家庭での対策も欠かせない。保護者と子どもが日常的にコミュニケーションを取り、SNSやスマートフォン利用に潜むリスクや適切な利用方法について話し合うことが重要である。また、フィルター機能付きスマートフォンの導入、夜間使用の制限、保護者による定期的な使用履歴の確認など、利用環境を物理的にも心理的にも整備することが効果的だ。さらに、児童相談所や警察、児童ポルノ被害ホットラインといった専門的な外部機関の存在を子どもに伝え、問題が発生した際に迅速な対応ができるようにしておくことも必要である。
政府は近年、「教員による性暴力防止法」の施行や教員免許の失効要件の厳格化、関連データベースの整備を進めている。教育現場と民間団体が協力し、ネット社会に対応した性犯罪防止のための啓発活動を展開しているが、真の解決には学校・家庭・地域が一体となって取り組む必要がある。
今回の事件を受けて、子どもたちが安心・安全にスマートフォンを利用できる環境を整えることが改めて問われている。
被害に遭った少女は、最初は普段通りの会話の延長で写真を送ってしまったようです。スマホ文化の中で、“普通”と“危険”の境界が曖昧になっています。大人も子供もスマホの使い方について見直しが必要になって来ていますね。