札幌市中央区南4条西3丁目の接待を伴う飲食店、いわゆるニュークラブで7日午前1時すぎ、店の男性従業員とみられる23歳の男性に向けてガラス製のコップを複数回投げつけたとして、41歳の男が暴行の疑いで現行犯逮捕されました。逮捕されたのは自称・東京都港区在住の会社経営の41歳の男で、警察はその場で身柄を確保し事情を聴いています。
現場は札幌市内最大級の繁華街エリアとされるすすきの地区の一角で、飲食店や観光客向けの店舗が集積する地域です。ニュークラブは接待を伴う形態の飲食店で、事件当時、男は複数人のグループで来店していたとされています。店側から「客が暴れて手に負えない」と110番通報があり、通報を受けた警察官が出動しました。
警察によりますと、店内では男と従業員側との間で何らかの理由からトラブルが発生し、その過程でガラスのコップが23歳の男性に向けて繰り返し投げつけられたとされています。通報内容や現場の状況から暴行容疑があると判断され、その場での逮捕に至りました。被害とされる男性は店の従業員とみられていますが、詳細な職種などは明らかにされていません。
取り調べに対し、男は「人には当っていません。壁に投げてグラスが割れました」と供述し、容疑を否認しているということです。札幌中央警察署は、店内の当時の状況やトラブル発生の経緯、投げられたコップの軌道などについて、関係者からの聞き取りや防犯カメラ映像の解析を含めて捜査を進めています。店側の営業体制や通報に至るまでの対応についても、必要に応じて確認する方針です。
警察は、男の酒の入り方や同席者との会話内容、席の配置なども含めて、暴行容疑の成否を慎重に見極めるとしています。事件は人が集まりやすい時間帯に近い未明の時間帯に発生しており、繁華街の飲食店におけるトラブル対応の在り方や、従業員と客の安全確保の手段について、改めて課題が浮かび上がる形となっています。今後、警察は関係者からの供述を重ね、立件の可否を含めて捜査を継続する見通しです。
—— 文・写真:すすきのニュース編集部 【佐々木ナオ】
すすきのの夜の現場では、酒席でのトラブルが一気に刑事事件へと切り替わるケースがあります。今回も店側の通報によって警察が迅速に介入し、その場での逮捕に結びついていますが、容疑を否認する供述とのギャップが今後の捜査の焦点になりそうです。従業員と客との距離が近い業態ほど、現場判断と危機対応の質が問われていると感じました。





