札幌・すすきのホテル殺人 母親控訴審判決と上告の動き


2023年7月、北海道札幌市中央区・すすきののホテルで男性が殺害され、その頭部が持ち去られた事件で、被告の母親である田村浩子(63)の控訴審判決が2026年2月19日に札幌高等裁判所で言い渡された。札幌高裁は、一審・札幌地裁判決を破棄し、懲役6月・執行猶予2年の有罪判決を言い渡した。浩子被告はこの判決を不服として最高裁判所に上告した。

 

当事件は、2023年7月にすすきの地区のホテルで当時62歳の男性が死亡し、その頭部が切断された状態で遺棄されたものとして発覚した。被害男性に関与したとして、娘の田村瑠奈被告(現在32歳)は殺人・死体遺棄・死体損壊の罪で起訴され、父親・修被告(62)とともに共犯として起訴された。父親は精神科医でもある。浩子被告は当初、自宅で頭部が隠されることを容認し、損壊行為の撮影を手配したなどとして、死体遺棄ほう助と死体損壊ほう助の罪に問われた。

 

2025年5月の一審・札幌地裁判決では、浩子被告に対する死体遺棄ほう助と死体損壊ほう助の罪が認定され、懲役1年2か月・執行猶予3年の有罪判決が言い渡された。その後、弁護側は全面無罪を主張して控訴していた。札幌高裁の控訴審では、裁判長が一審判決の一部を事実誤認と判断し、死体遺棄ほう助の成立を否定した。また、死体損壊ほう助についても「娘の犯意を間接的に強めたにとどまる」として範囲を限定し、刑を大幅に軽減した。

 

札幌高裁は2026年2月19日の判決で、浩子被告に懲役6月・執行猶予2年の有罪判決を言い渡した。弁護側は判決内容を不服として、控訴審判決を最高裁へ上告する方針を示している。また、同じく被告となっている父親・修被告も札幌高裁判決に不服として最高裁に上告していると報じられている。瑠奈被告本人の裁判については、札幌地裁で精神鑑定が行われており、今後の見通しは立っていない。

 

今回の控訴審判決では、母親の浩子被告に対する罪の認定範囲と量刑が一審から大きく見直され、死体遺棄ほう助の成立が否定された点と、死体損壊ほう助の関与評価が限定的とされた点が判決内容の特徴となった。浩子被告側は全面無罪を訴えており、最高裁での判断が注目される。また、父親と娘の裁判もそれぞれ上告・審理が継続しており、事件の刑事責任を巡る裁判手続きは今後も進展する見込みである。


札幌すすきのホテル殺人事件に関して、母親・浩子被告への控訴審判決が2月19日に札幌高裁で言い渡され、執行猶予付きの有罪判決に改められた。死体遺棄ほう助の成立が否定されたのは判決の大きなポイントであり、裁判所が関与の範囲を限定的に捉えた結果とみられる。弁護側は全面無罪を主張し、最高裁への上告を決定した。父親・修被告も上告しており、家族それぞれの関与を巡る法廷闘争が続く。事件そのものの本裁判(娘・瑠奈被告)は精神鑑定段階にあり、最終的な責任の所在が裁判でどのように確定するかが今後の焦点だ。今回の判決は刑事責任評価のあり方や家族の関与の度合いを巡る裁判実務でも注目される結果となった。