コロナ後最大の熱気―2026年「さっぽろ雪まつり」は何が違ったのか


2026年2月4日から11日まで開催された第76回さっぽろ雪まつりは、札幌の冬が完全に“戻ってきた”ことを実感させるイベントとなった。

大通公園を中心に、つどーむ、すすきのの3会場で行われた今年の雪まつり。大雪像や市民雪像、氷像、プロジェクションマッピングなどが並び、国内外の観光客で街は連日賑わいを見せた。


来場者数は253万人超 コロナ禍以降で最多

札幌市の発表によると、2026年の来場者数は以下の通り。

  • 大通会場:約192万6,000人
  • つどーむ会場:約61万3,000人
  • 合計:約253万9,000人

これはコロナ禍以降で最多となり、7年ぶりに250万人を突破した。

前年を約21万人上回り、前年比109%という伸びを記録。会期中には天候不良の日もあったが、好天に恵まれた日には終日多くの来場者で埋め尽くされたという。


「戻った」のではなく「進化した」賑わい

今年の特徴は、単なる観光回復ではない。

実行委員会のまとめでは、

  • 人気映画・アニメ雪像がSNSで拡散
  • 市民制作の雪像が注目度上昇
  • 国際線回復による外国人観光客増加

などが来場者増の要因として挙げられている。

実際、会場ではアジア・欧米・オーストラリアなど海外からの観光客の姿が目立ち、国際イベントとしての存在感が明確に戻った年となった。


過去数年との比較(事実ベース)

コロナ禍以降の来場者推移を見ると、回復の流れははっきりしている。

来場者数
2023年(第73回) 約175万人
2024年(第74回) 約239万人
2025年(第75回) 約233万人
2026年(第76回) 約253万9,000人

2026年は直近4年間で最多となり、回復段階から「完全復調」へ移行した節目の開催となった。


天候と話題性が生んだ「滞在型イベント」

今年は開催前、小雪とその後の大雪という難しい気象条件が続いたが、雪像は無事完成。

さらに週末の好天が来場者集中を後押しした。

また、AIによる会場の賑わい予測など新しい取り組みも導入され、イベント運営自体も進化している。

雪像を見るだけのイベントから、

「体験」「共有」「拡散」まで含めた都市型フェスへ変化していることがうかがえる。


札幌の冬観光は次の段階へ

さっぽろ雪まつりは例年200万人以上を集める世界的イベントだが、2026年は単なる例年規模への回帰ではなかった。

  • インバウンドの本格回復
  • SNS時代に適応したコンテンツ
  • 市民参加型の価値再評価

これらが重なり、イベントの“質”そのものが変わりつつある。

雪像解体を見守る観光客の姿は、祭りの終わりというより、次の冬への期待を象徴しているようだった。


観光イベントの「回復」が語られることは多いが、今年の雪まつりは単なる来場者数の増加ではなく、訪れる人の多様性や楽しみ方の変化が印象的だった。海外観光客の姿が自然に溶け込み、札幌の冬が再び世界とつながった感覚がある。数字以上に、街全体の空気が変わった開催だったと言えるだろう。