キングムー跡地に生まれたホテル。ランドーホテル札幌ヘリテージが継承する没入型体験


“泊まる”だけでは物足りない時代へ

ホテル選びの基準は、以前のように「立地」「価格」「新しさ」だけではなくなっています。

旅行そのものに特別な体験を求める人が増え、近年は「没入型体験(イマーシブ体験)」という考え方が、観光やホテル業界でも注目されています。

没入型体験とは、ただ景色を見たり施設を利用したりするだけではなく、その場所の歴史や文化、物語を五感で感じ、自分自身がその世界の一部になったように楽しめる体験のことです。

全国でもアート施設やテーマパーク、美術館などで導入が進んでいますが、近年はホテルにもその考え方が取り入れられるようになりました。

ホテルは「宿泊施設」から「体験施設」へ

従来のホテルは「寝る場所」という役割が中心でした。

しかし現在は、ホテルそのものが旅の目的になるケースも少なくありません。

地域の文化を感じられるデザイン。

地元の歴史を取り入れた空間づくり。

アートや演出によって、その街ならではの物語を体験できる滞在。

こうした要素が宿泊価値を高めるものとして、国内外の旅行者から支持されています。

特に訪日外国人旅行者(インバウンド)の増加に伴い、「その土地でしか味わえない体験」への需要は年々高まっています。単なる宿泊ではなく、その地域らしさを感じられるホテルが選ばれる時代になりつつあります。

ランドーホテル札幌ヘリテージが継承した”すすきのの記憶”

2026年6月26日にグランドオープンした「ランドーホテル札幌ヘリテージ」は、その流れを象徴するホテルのひとつです。

建設地は、長年すすきので親しまれた大型ディスコ「KING∞XMHU(キングムー)」跡地。

館内には当時使用されていた内装やオブジェを再利用し、写真展示やインタラクティブアートなどを通じて、キングムーの歴史や街の記憶に触れられる空間が設けられています。

ホテル全体のコンセプトは「SUSUKINO – MIX」。

札幌開拓の歴史、すすきのの発展、そしてキングムーという象徴的存在を一つの空間へ融合させることで、宿泊そのものが街を知る体験になるよう設計されています。

つまり、このホテルは「キングムーを再現するホテル」ではありません。

すすきのという街が歩んできた歴史を、新しい形で未来へつなぐホテルと言えるでしょう。

札幌観光の新しい楽しみ方になるかもしれない

ランドーホテル札幌ヘリテージは、全125室のうち約9割が4〜5人で宿泊できる客室となっており、キッチンや洗濯機も備えた滞在型ホテルとして整備されています。

家族旅行やグループ旅行、長期滞在にも適している一方で、このホテルの本当の魅力は設備だけではありません。

「この場所には、こんな歴史があった。」

「すすきのには、こんな文化が根付いていた。」

そんな背景まで含めて滞在できることこそ、このホテルならではの価値です。

ホテルを出たあとも街の見え方が少し変わる——。

そんな没入型体験を目指して誕生したランドーホテル札幌ヘリテージは、これからの札幌観光を象徴する新しい宿泊施設として、多くの旅行者から注目を集めそうです。

位置情報:ランドーホテル札幌ヘリテージ〒064-0807 北海道札幌市中央区南7条西4丁目424−10


ホテルの価値は、設備や価格だけで比較される時代から、その場所でしか味わえない体験まで含めて評価される時代へ移りつつあります。ランドーホテル札幌ヘリテージは、すすきのの歴史そのものを宿泊体験へ取り込んだ、地域性の高いホテルとして今後の展開にも注目したい施設です。